衛生委員会の年間テーマ12か月(2027年版)|毎月の議題と「決めること」を産業医が提案

「衛生委員会を毎月開いているが、議題が思いつかず、産業医の話を聞いて終わっている」「議事録はあるが、何かを決めた記録がない」。衛生委員会の運営について、名古屋・愛知の中小企業の担当者からよく伺う悩みです。

衛生委員会は、常時50人以上の労働者を使用する事業場に設置が義務づけられ、毎月1回以上開催することとされています。審議事項も法令で定められていますが、「毎月何を議題にするか」は会社に任されています。この記事では、国の年間行事と法令上の付議事項を組み合わせた2027年の年間テーマ案を、産業医・労働衛生コンサルタントの視点でご提案します。 [S1]

衛生委員会で審議すべきこと(法令上の付議事項)

労働安全衛生規則では、衛生委員会の付議事項として、衛生に関する規程の作成、衛生教育の実施計画、長時間労働による健康障害の防止対策、労働者の精神的健康の保持増進対策、化学物質の自律的な管理に関する事項などが定められています。年間計画を立てるときは、これらが1年のどこかで必ず議題になるように配置します。 [S1]

2027年 衛生委員会 年間テーマ案(12か月)

国の行事(準備期間を含む)と季節の健康リスクに合わせると、担当者が毎月ゼロから考えなくても議題が決まります。「決めること」の欄を議事録に残すと、監督署の調査でも審議の実態を示せます。

月テーマ背景となる行事・時期委員会で決めること
1月年間計画の確認と健康診断の実施計画年度後半の健診結果の集計今年の健診日程、未受診者への対応ルール
2月インフルエンザ・感染症と事業継続流行期出勤停止・在宅勤務の基準、備蓄
3月メンタルヘルスとストレスチェックの実施計画3月は自殺対策強化月間ストレスチェックの実施時期、高ストレス者面談の流れ
4月新入社員・異動者の健康管理、化学物質の棚卸し新年度、化学物質対象物質の追加(4月1日施行分)雇入時健診、SDSの更新担当者
5月熱中症対策①(準備)STOP!熱中症 クールワークキャンペーン(5〜9月)WBGT計の設置場所、休憩・水分の運用、新ガイドラインとの照合
6月全国安全週間の準備、職場巡視の重点全国安全週間(7月1〜7日、準備期間6月)巡視のチェックリスト、是正の担当と期限
7月熱中症対策②(重点)と長時間労働の確認猛暑期、上半期の労働時間集計月80時間超の抽出手順、面接指導の申出勧奨
8月健康診断結果の事後措置の進捗春の健診結果が出そろう時期要再検査者の受診状況、医師の意見聴取の完了確認
9月全国労働衛生週間の準備全国労働衛生週間(10月1〜7日、準備期間9月)重点事項(高年齢者の健康管理、両立支援、化学物質対策)の自社点検
10月高年齢労働者の安全と治療と仕事の両立支援労働衛生週間の本週間転倒防止の設備改善、両立支援の相談窓口の周知
11月過労死等防止と働き方過労死等防止啓発月間(11月)年末繁忙期の労働時間管理、面接指導の体制
12月年末年始無災害、1年の振り返り年末年始無災害運動、年間の総括来年の年間計画、未達事項の繰り越し

運営を軽くする3つの工夫

  • 資料は1枚にする:前月の決定事項の進捗、今月のテーマ、決めることの3項目だけ。産業医の講話は10分以内に収め、残りを審議に使う
  • 「決めたこと」を議事録の先頭に書く:審議内容の要約より、決定事項と担当・期限を先に記録する。議事録は3年間保存する
  • 年間計画を4月ではなく1月に立てる:健康診断・ストレスチェック・労働時間の集計は暦年で区切る方が、監督署への報告や過去比較がしやすい

産業医・労働衛生コンサルタントとして、松田はこう考えます

衛生委員会が形式的になりやすい原因の一つは、産業医が「話す側」、会社側が「聞く側」に固定されてしまうことです。産業医の講話は年間テーマに合わせて短くし、現場の委員から「困りごと」を出してもらう時間を確保すると、委員会を改善の起点にしやすくなります。当事務所では、契約先の衛生委員会で年間テーマに沿った衛生講話と、決定事項の進捗確認を組み合わせて運営しています。 [S2] [S3]

従業員50人未満で衛生委員会の設置義務がない事業場でも、衛生推進者を中心に同じ年間テーマで「関係労働者の意見を聴く機会」を設けることをおすすめします。化学物質の自律的管理や健康情報の取扱規程では、50人未満の事業場にもこの意見聴取が求められています。

よくある質問:議事録には何を書けばよいですか

開催日時、出席者、議題、審議の概要、決定事項(担当・期限)を記録します。労働安全衛生規則では、委員会の議事で重要なものに係る記録を作成し、3年間保存することとされています。 [S1]

よくある質問:産業医は毎回出席が必要ですか

産業医は衛生委員会の委員として指名されますが、法令上、毎回の出席が義務づけられているわけではありません。ただし、健康診断の事後措置や長時間労働対策など医学的な判断が必要な議題では、出席または意見書の提出が望まれます。

参考資料

[S1] 労働安全衛生規則(e-Gov法令検索)第22条(衛生委員会の付議事項)・第23条(開催・議事録)(資料取得日:2026-10-27)

[S2] 令和8年度「全国労働衛生週間」を10月に実施|厚生労働省(資料取得日:2026-10-27)

[S3] 令和8年「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施します|厚生労働省(資料取得日:2026-10-27)

一般的な情報提供を目的としています。各行事の日付は年度ごとに公表されるため、最新の情報は参考資料のリンク先をご確認ください。

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本記事は2026-10-27時点で確認した公的資料に基づきます。

ご相談・お問い合わせ

「衛生委員会の年間計画を一緒に作ってほしい」「産業医の講話を年間テーマに合わせて組み立てたい」という名古屋市・愛知県内の事業場の方は、あいち松田産業医事務所にご相談ください。月刊「あいち松田 産業保健レター」でも、毎月の衛生委員会で決めることを3つに絞ってお届けしています(産業保健レター(無料))。

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産業医 / 労働衛生コンサルタント(保健衛生) / 健康経営専門医 松田悠司

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